破産法
破産手続きの開始については一五条~七三条、同時廃止については二一六条。
免責および復権については二四八~二五六条、詐欺破産罪・過怠破産罪などの罰則については二六五条~一一七七条に定めています。
現行の「破産法」は平成16年法75号において、従前の破産法(大正11年法71号、以下では「旧破産法」という)を廃止するかたちで新設されました(平成17年1月1日施行)。
破産法では、破産者がギャンブルや浪費によって著しく財産を減少したり、過大な負債を抱えてしまった場合は、免責不許可事由にあたるとされています。
また、99万円までの現金は、破産法上の自由財産(破産者が自由に管理処分できる財産)として財団に含まれません(破34条3項1号、民執131条3号、同施行令1条)。
東京地裁の場合、現金が20万円を超える場合は、原則、管財事件となったうえで、99万円未満については財団を構成しないとしています。
利息制限法
利息の最高限度などを定めています。
元本が10万円未満の場合は年二割、元本が10万円以上100万円未満の場合は年一割八分、元本が100万円以上の場合は年一割五分か利息の最高限度で、これを超えた部分は無効となり、まずは元本の返済に充当されます。
そして、元本が完済となっていれば、過払金の返還請求ができます。
出資法
出資法は、金銭の貸付けを行う者が、原則として年109.5% (うるう年は109.8%、1日あたり0.3%)、貸金業者(業として金銭の貸付けを行う者)については年29.2% (うるう年は29.28%、1日あたり0.08%)を超える利息の契約をしたときや当該利息を受領しまたはその支払いを要求した場合に刑事罰を科しています(5条1~3項)。
この貸金業者に対する金利規制は、昭和58年法33号(同年5月13日公布、11月1日施行)により設けられ、3段階に分けて上限が下げられました。
その後、平成11年法155号、同18年法115号(18年改正法)により、さらに上限が下げられています。
18年改正法では、まず、貸金業者の制限違反に対する罰則が強化され(改正法6条による出資法5条3項の改正)、この部分は平成19年1月20日より施行されています(18年改正法附則1条2号により、公布日から1月経過日より施行)。
上限金利を年20%とする改正施行日は、改正法原則施行日(平成19年12月19日)より2年6月内とされています。
他方、出資法は、貸金業者のうち日賦貸金業者・質屋・電話担保金融について特例を設け、刑罰対象利率(上限)を、質屋につき年109.5% (うるう年は109.8%)、日賦貸金業者・電話担保金融につき年54.75%(うるう年は54.9%)としています。
この特例は、日賦貸金業者・質屋については昭和58年法33号附則8~11・12項で設けられ、電話担保金融については平成2年法42号附則2項による昭和58年法33号附則改正(14~16項新設)というかたちで設けられました。
その後、平成12年法112号により、日賦貸金業者に対する上限金利が年109.5%(うるう年は109.8%)から年54.75% (うるう年は54.9%)に引き下げられました。
そして、18年改正法8条により、日賦貸金業者・電話担保金融についての特例が廃止されましたが、質屋に対する特例は存続しています。
貸金業法
貸金業法は、一定の要件を満たす場合に、利息制限法の制限利率を超える利息・遅延損害金の支払いを有効な利息・損害金の支払いとみなしています(43条1項・3項)。
したがって、利息制限法の制限利率(15~20%)を超えても、出資法の上限利率(29.24%)を超えなければ有効と認められる場合があることになり、この狭間の利率の範囲を通称「グレーゾーン」と称しています。
18年改正法により、このみなし弁済規定は廃止されました(この改正の施行日は、改正法原則施行日より2年6月内とされています)。
そして、18年改正法によっても、利息制限法(年15%または18%の場合)と出資法(年20%)との間に制限利率による狭間は残るが、貸金業者による当該狭間にあたる利息の契約や要求・受領は禁止され(貸金12条の8第1・4項)、行政処分の対象となっています(貸金24条の6の4第1項2号)。