破産・免責手続きの申立人にマイホームなどの不動産がある場合には、原則として管財事件になります。
しかし、管財事件になれば、最低でも三十万円〜五十万円程度の予納金がかかります。
近年の不動産価格の下落で、破産・免責手続き申立時の不動産の時価または評価額が、購入時に較べて数十パーセント減、場合によっては二分の一、三分の一にまで下がっていることもあるでしょう。
このような状態を担保割れ、またはオーバーローンといいます。
こうした状態では、抵当権者である金融機関が抵当権を実行(競売など)したとしても、回収出来ない額が相当な金額になります。
これでは、管財事件にしたとしても意味がありません。
そこで、多くの裁判所では、個人が破産・免責手続を申し立てる場合、申立人が不動産を所有している場合でも、その不動産によって担保される債務の総額が、その担保不動産の申立時の価値の一定倍数以上であれば、管財事件とはせず、原則として、最初から同時廃止事件とする取扱いをしています。
これにより、不動産を所有している人でも、例えば自分で破産・免責手続きの申立てをすれば、予納金、印紙代、切手第を含め一万数千円で自己破産出来る可能性があります。